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座右の銘は人間万事塞翁が馬です

2年半の専業フリーランスを終えてFlatt Securityに入社します

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専業フリーランスで2年半ほどやってきましたが、元々仕事を受けていたサイバーセキュリティ事業を展開する株式会社Flatt Securityに入社することにしたので、これまでの振り返りとか何故入社しようとおもったのかとか、30歳過ぎた(31歳)Web界隈ITエンジニアの悩みとかを書こうと思います。あと副業として個人事業は継続するのでそういうお話は歓迎です(まず言っておく)。

 

これまで専業フリーランスとしてやってきたこと

まずこれまで専業フリーランスとしてやってきたことを書こうかなと思います。

ソフトウェア開発

いわゆるWeb系と呼ばれる界隈のベンチャーを中心にソフトウェア・サービス開発を請け負ってきました。自分がやってきたこととしては

  • Webサービス/iOS/Androidのバックエンドサーバー開発(Go/Ruby/PHP)
  • k8sで構築されたインフラの運用補助
  • オンプレでのサービスサーバー構築
  • 大規模ウェブサイトリニューアル案件のフロントエンド(React)

で、ほとんどの仕事は「ただ仕様をもらってコーディングする」のではなくて企画に対してのアーキテクチャ提案や仕様の策定と、それのコーディングなど、開発チームのいちエンジニアメンバーもしくはリードエンジニアのような対応を期待されていました。仕事の7割くらいはこれらの仕事をいただいていました。

かかわらせて頂いた会社はありがたいことにどこも非常に良い会社で、フリーランスの自分も開発や社内のイベントにおいてはほぼ正社員と同等の扱いをしていただいたので、自分もパフォーマンスを出すことに集中できました。

セキュリティ関連

こちらは知り合いづてにたまに相談をいただいたり、これから入社するFlatt Securityのお手伝いをする形で仕事をしていました。やってきたこととしては

  • サービス開発におけるセキュリティのコンサルティング
  • Web/ネイティブアプリセキュリティ診断
  • その他なんでも(セールス同行やスポットでのセキュリティ調査対応等)

となります。こちらは結構不定期で仕事が発生するので、自分の仕事に余裕があれば仕事をいただいていました。自分の元々の社会人キャリアがサイバーセキュリティから始まったので、その能力を腐らせたくないなーと思い継続していました。セキュリティの能力はどこの会社でも汎用的に求められるので、ソフトウェア開発業務で参加しているときも副次的に重宝されていました。

専業フリーランス活動の所感

簡単にですがフリーランス活動の所感をいくつか書きます。

営業や仕事の仕方の話

自分の仕事はほとんどが知り合いづてに紹介してもらっていて幸い営業らしい営業は必要なく2年半ほど過ごしました。仕事のスタイルも週3-5日オフィスに伺って(コロナ渦の中でリモートになりましたが)仕事するスタイルで、普通のサラリーマンと変わらない感じでした。世の中には「ITエンジニアになって在宅で仕事!!!年収1000万!!!」みたいな煽りもありますが、自分は完全リモートのお仕事はたまにでしたね。

フリーランスは不安定なんでしょ?

フリーランスなんて安定してないでしょ?」「仕事不安じゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、自分のこのスタイルでもあと5年くらいは少なくとも仕事あるかなあと思いました。積極的な営業をしてないし、エージェントなど活用すれば普通にサラリーマンと変わらない(契約形態が変わるくらいな)のでそれらを活用すればもっと普通に長期間続けられるとおもいますし、現時点においては特に不安定さは見えてこないです(今のCOVID-19クラスの環境の変化込みで先が読めるのがせいぜい5年くらいかな、と思っています)。

報酬の話

みんな気になる報酬の話です。あんまり細かくいうのはこういうオープンな場では微妙ですが「東京・30歳・経験6年(学生時代の開発アルバイトも含めていいなら8年)・情報系の学士持ち・新卒でメガベンチャー」という背景込みで年商は1000-2000万円くらいでした。すごい!!!やっぱりITエンジニアで年収1000万円ドリームだ!!!と思われるかもしれませんが、フリーランスは有給休暇や雇用保険、厚生年金、社会保険がありませんし、自分の場合は土日もたまに働いていたので稼働時間はそこそこあります。だいたいサラリーマンの1.5倍稼いで同等、2倍で営業や事務の手間込みでちょうどいい、と言われていますね。あと自分の友人で優秀な方々はサラリーマンとして同じくらい稼いでる人が「ゴロゴロ」います...。

そもそも何故フリーランスをはじめたのか

実はフリーランスをはじめるときも「これから一生フリーランスでやっていくぞ!」というつもりで始めたのではなかったです。それこそ3年くらい続ければいいかな、くらいのつもりでした。

自分はかなり熱しやすく冷めやすいタイプで、同じ会社で仕事をし続けていると1,2年くらいでマンネリがきちゃう人間です。フリーランスをはじめた当時は自分の周りで「うちもエンジニア足りなくてフリーランスたくさん雇ってるわ~」みたいな話をあちこちからきいたので「フリーランスならいろんなところで開発以外の仕事もできそうだしやってみるか」とはじめてみました。これは目論見通りで、セキュリティの仕事をしたり、開発でも数か月に一回違う仕事をしたりで飽きずに続けていました。

しかし、この働き方での悩みや不安みたいなものも感じていました。

キャリアの悩み

さきほど「フリーランスまだ5年はやっていける」、「スタイルを変えれば別にサラリーマンと変わらないで働いていける」と書きましたが、それはそうとしてキャリア上の悩みはありました。

自分は他人より技術が好きではないなという気づき・自覚

上述の通りフリーランスをただ続けていくことはおそらく可能です。しかし収入の面ではどうでしょう。もちろんうまくやっていけばそのままフリーランスでもスペシャリティを獲得して伸ばすことは可能だと思います。しかし自分は余暇に積極的に趣味プロダクト開発としてのプログラミングをしたり、暇さえあれば論文や新規脆弱性のレポートを読んだりするほどの人間ではない「ザ・凡人の職業ITエンジニア」だということに気づいてしまいました(正しくはずっと前から気づいてはいましたが、アラサーになったころにようやく直視できました)。そのような人間が今後も報酬を伸ばしながらフリーランスを続けることは可能かなあ、よくて維持、悪ければ歳を追うごとに報酬が低下するのでは?という不安がありました。

10年先をどう過ごしていきたいか

そもそも自分がITエンジニアをやっている理由は「それなりに仕事で扱う技術に興味がもてている」「現時点の自分の持ち得る能力の中では比較的お金になる」という2点です。仮に自分がほかにもっと稼げる何らかのスキルを持っていればITエンジニアをやってないと思います。

何が言いたいかというと、今は自分がある程度楽しいとおもっていることをやっているから続けられているしなんとか能力も(亀の歩みで)向上させられているということです。そういう意味で、10年後は「界隈で有名な最強のITエンジニアになってやるぞ!!」とか「有名ソフトウェアを開発してみんなに使ってもらうぞ!!!」みたいな野心はなく「その時自分が楽しいなと思っていることで、他人から求められていることをうまくやっていきたいな」と思っています。抽象的な目標なので、それはどうすればうまくいくかな?と考えたりしていました。

Flatt Securityに入社しようとおもった理由

ここまでダラダラとフリーランス生活やキャリア観について書いてきましたが、ここでようやく入社しようと思った理由を書きます。

長く時間をかけて達成するものがあるといいなとおもったから

自分は熱しやすく冷めやすいと書きましたが、そのせいで何か1つのことに長く真剣に取り組んだことがあまりないなあと気づきました。Flatt Securityは共同創業者の豊田ともともと友人だったということもあり、サイバーセキュリティ事業を始める時から事業立ち上げをサポートてきた関係性で、現在の規模(正社員で15名ほど)になるまで見守ってきましたました

0から会社が盛り上がっていくのを見てきて、このまま会社を大きくするのに自分も腰を据えて真剣に取り組んでみるのは楽しそうだなと思いました。

サイバーセキュリティに関連する様々なことができそうだったから

Flatt Secuirty(公式サイト)では、見ていただくとわかりますが一般的なサイバーセキュリティベンダーのようにセキュリティ診断を行っているだけではなく、Flatt Security Learning PlatformのようなWebサービスも展開しています。このサービスはエンジニアがセキュアにWebアプリケーションの設計・開発を行うために必要な知識・技術の習得を支援するSaaS型eラーニングサービスです。

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Flatt Security Learning Platform

また、それ以外にも新規プロダクト開発が走っていたり、セキュリティ診断も最近はFirebaseやGraphQLといったモダンな技術を対象にした診断を多く手がけるなど尖った方向性を持っています。

会社の規模もまだそれほど大きくないので、自分も様々なことに首を突っ込めそうだし(これまでも突っ込ませてもらってきたし)、社長の今後の展望もいい意味で多岐に渡っているのでそれこそ自分でも飽きずにしばらく貢献できそうだなーと感じたというのは入社の理由として大きいです。

優秀な若者がいるから

Flatt Secuirtyはあちこちから優秀な若者セキュリティエンジニアが集まっており(セキュリティエンジニア志賀のインタビュー記事 , セキュリティエンジニアstyprのインタビュー記事)、自分はマジで一ミリも彼らに勝っている部分はないな・・・と感じます。そんな彼らがいい意味で大学生のノリ(若いとはいえ大学生メンバーはインターン以外ではもうほとんどいませんが)で技術トークや勉強会をしているのは自分にもいい刺激になるし、自分の原体験も大学時代に大学のそれなりに濃い技術界隈の集まりに所属していたことにあるので、それを思い出させてくれるような感覚があり最高だなと思っています。

終わりに

2年半やってきた専業フリーランスの振り返りと、就職先のFlatt Secuirtyについて書いてみました。Flatt Securityのサービスや採用については興味のある方は下記リンクを見ていただくか、自分にTwitterとかで声をかけてもらえれば対応できるので是非。

Flatt Securityのサービス・採用情報

そして冒頭にも書きましたが副業としてのお仕事依頼であれば対応可能なものもあるとおもいますので、そのような話も是非頂ければとおもいます。